お金はただのツール!これからは価値だ!『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』~読書感想~
読書が趣味です。
月に10冊以上を目標に読んでいます。
・・・
ただ、なかなか身についている気がしない(汗)
アウトプットを徹底することによって、記憶の定着化ができると言われています。
せっかくブログを開設してみたので、こちらにも挑戦。
今回は・・・
佐藤航陽 『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』 幻冬舎
(完全なる個人的感想です。)
【読む前】
まず、経済とは何ですか?という問題です。
自分は真っ先に、「お金・サービスのやり取り」と考えていました。
完璧な資本主義者ですね。
【本が教えてくれたこと】
著者は「報酬系のやり取り」であると定義しています。
例えば、SNSのイイね。
共感される→うれしい という報酬ですね。
イイねをいっぱい貰える人、フォロワーが多い人
報酬系をじゃんじゃん動かせる人は
お金はなくても"価値"を生み出す人です。
この"価値"を、現在の日本円やドルなどの国が発行しているお金は直接測れません。
カネ・モノの資本主義の限界が見えつつあると著者は考えているようです。
価値ベースの経済で役立つのが、ビットコインなどのトークンエコノミーとのこと
(国家のしばりが無いから、自由に価値を評価できるじゃん!)
これからは資本主義(お金)だけの世界ではなく、
価値主義(トークン)も併存できる可能性がある。
価値主義⇔資本主義の行き来もOKじゃない?
自由だ~!
【読んだ後】
お金・モノにまみれた世界にいる自分には、近未来のことのように映ります。
この価値主義、小児科医療だとどうでしょうか?
資本主義・・・どれだけ診療報酬を稼げるか、病気を治すか
価値主義・・・どれだけ笑顔/楽しい時間を増やせるか、病気にさせないか
こんな感じですかね?
価値主義って、医療とか公共性の高いものにはすごく親和性が高い気がします。
お金で測れないものが見える化される世の中、楽しみです。
インフルエンザワクチンって毎年接種した方が良いんですか?ワクチンの有効期間と効果は?
小児科医のdonzokoです。
10月末なので、インフルエンザワクチンのシーズンです。
こんな質問をよく保護者さんから聞かれます。
「インフルエンザワクチンって打った方が良いんですかね?去年は打っても罹っちゃったんですけど・・・」
ごもっとも
インフルエンザワクチンって不思議ですよね?
・これだけなぜ毎年?
・接種しても罹る。
ってなわけで、donzokoの知識・勉強の範囲内でインフルエンザワクチンについて考えていきたいと思います。
・なぜ毎年やらないとダメなのか?
①賞味期限
インフルエンザワクチンの効果は、接種後3ヶ月~5ヶ月程しか持ちません!
一生ものだと最高なんですけどね・・・
10月初旬に接種を開始したとすると、早い子だと1月下旬くらいには予防効果が落ちるらしい。
受験の子は1月にも打て・・・なんていう専門家もいます。
(ワクチン需給の現実からすれば、非現実的な気もしますが)
② 「今年の流行アイテムは・・・」
よくTVや雑誌で耳にするワードです。
ファッションに疎いので、なんで流行する前から分かっとるんや!?
と、疑問に思います。
実はインフルエンザワクチンも同じ
今年の流行を予測して、毎年中身が変わっています!
5月~6月には決められているんですよ。世界の偉い先生方によってね。
(つまり、プロ達が流行予測を外すと、効果はあんまりになります・・・)
・なぜ接種しても罹るのか?
有効率
一説では、予防効果は60~70 %と言われています。
就学前のお子さんだと、うんと低く20~30%程度です。
インフルエンザワクチンに対する公式見解は
「発症そのものを完全に防ぐことはできないが、重症化を抑えることができる。」
となっていますので、
接種してもインフルエンザに罹ります。
でも重症化しなかったのはワクチンのおかげかもしれませんね?
これがインフルエンザワクチンの実力なのです。
じゃあ、接種すべきか?すべきでないか?
自分は接種すべきだと考えています。
重症化が防げる可能性があることが一番大きいです。
肺炎や脳症になってしまえば、入院です。
正直、一般的なインフルエンザは風邪の一種にすぎません。
予防効果20~30%は確かに低いと感じますが、みんなが打てばその効果は高まります。
他の子やお年寄りへの思いやりと考えませんか?
(インフルエンザで死亡する患者の大半は高齢者です。お祖父ちゃん・お祖母ちゃんにうつしたら洒落になりません。)
インフルエンザシーズンは外来は大忙しになります。
診断や治療については、またまとめたいと思います。
最後まで閲覧いただきありがとうございました。
参考図書:『予防接種Q&A』 小児内科,2013 Vol.45増刊号
クリニックを変える?かかりつけの小児科クリニックに行き続けよう。
こんにちは、小児科医のdonzokoです。
保護者の皆さん、行くクリニックを決めていますか?
私は勤務医なので、クリニックさんから紹介されたお子さんを診察しています。
感染症が長引いているお子さんの経過をお聞きすると・・・
「いつものAクリニックのお薬が全然効かないので、Bクリニックに行きました。次は・・・」
というお話をよく伺います。
お子さんの体調を早く良くしたい。
その気持ちは十分に理解できるものです。
しかし、あえてオススメさせて下さい。
いつものAクリニックにもう一度行って下さい!
実はそちらの方が、診断・治療がスムーズに行く場合があります。
私がオススメする理由をまとめてみました。
いままでの経緯がはっきり分かる
診断をつける上で、調子が悪くなってからの経緯や身体所見はとても重要です。
特に身体所見は同じ医師が診るのがBestです。
胸の音、お腹の痛みなどの変化は、Bクリニックには分かりません。
あと、今までかかった病気の履歴やアレルギー歴なども重要となります。
実は次の一手が考えられている
「この薬で効かないのなら、あの病気かもしれない。」
「まだまだ治療期間が必要だな。」
この薬で駄目なら・・・と戦略を持って診察されていることがほとんどです。
特に薬が残った状態でBクリニックに行くと、Aクリニックの処方意図がさっぱり分からなくなります。
上手に紹介してもらえる
クリニックでの検査・治療では限界な場合があります。
その場合は病院へ紹介となります。
今までの診療の経緯がシンプルにまとまっていた方が、紹介状を受け取る側はありがたいです。無駄な検査・治療薬が少なくなります。
クリニックを転々とすることを、ドクターショッピングと言います。
紹介状を受け取る側からの印象はあまりよくありません。
転々としなくてもよいコツとして
・どれくらい症状は続くものなのか。
・どんな場合に再度受診した方が良いのか。
これを毎回聞くようにしてみましょう。
※ 当記事はdonzokoの個人的見解です。主治医の診療・治療方針に代わるものではありません。
「外来の待ち時間が長い!」外来が遅れる原因
はじめまして。小児科医 donzokoと申します。
小児科医の仕事って、患者さんからは見えないですよね。
それが原因で色々と齟齬が生じていると感じています。
このブログで仕事・思考の見える化を通じて、相互理解の一助になれば良いと考えます。
皆さんは「外来の待ち時間が長い!」とイライラされた経験きっとございますよね?
病院が定期的に行うアンケートでも、不満点の上位に必ずランクインしています。
Time is money.
これを信条としている私も大変心苦しく感じています。
申し訳ありません。
私は総合病院の小児科で外来をやっていました。
待ち時間を生じさせている原因の第一は、医師の力量だと思います。
ただし、他にも構造的な問題もあります。
なかなか皆さんを診察室にお通しできない原因を列挙(弁明)したいと思います。
(※医師・病院によってかなり差がございます。donzokoの個人的見解です。)
入院患者さんの診療に時間がかかっている
「朝イチに来たのに!」
申し訳ございません。
外来開始時間になっても始められないことがあります。
勤務医の朝は入院患者さんの診療から始まることが多いのです。
故に・・・
・入院患者さんの容態が変わり、治療方針の急な変更を要した。
・朝の回診で初めて出会った患者さんの親族に、1から説明を求められた。
・新生児の処置が必要になった。
などの予定外の業務が重なると、外来に間に合わないことがあります。
もちろん、外来担当医と病棟担当医の役割分担がしっかりしている病院では、こんなことは生じないと思います。
が、いかんせん、小児科医は不足気味なのです・・・。
そもそも予約がかぶっている
「予約時間になっても呼ばれない!」
申し訳ございません。
例えば9時30分-という枠で予約を取られていたとします。
その枠に、多い時だと4人ほど入れられています。
5分で終わる患者さんもいれば、15分以上必要な患者さんもいます。
後から来た人ほど開始時間は予約の9時30分から、うんと遅くなってしまうのです。
予約外の患者さん
「私達の方が先に来たのに!」
申し訳ございません。
予約患者の合間に紹介患者さんや初診患者さんの対応をしなければならない病院もあります。(初診担当医のある病院も多いです。)
重症・救急患者さん
「あれ?誰も呼ばれなくなった?」
申し訳ございません。
重症患者さん・救急患者さんは突然現れます。
痙攣や呼吸困難などの緊急を要する患者さんの処置・検査には複数の医師が協力する必要があります。
その場合、外来業務を一旦ストップさせる場合もあります。
こっそり予習している
「中待合に呼ばれたけど、なかなか呼ばれないな?」
申し訳ございません。
意外とこれで時間を食っていることがあります。
小児科で扱う疾患は多岐に渡ります。実は経験の少ない症例だらけです。
どんな検査をしたら良いのか?どんな薬を処方したら良いのか?
医学部で身につけた知識だけではカバーできないことがあります。
問診票を見て、教科書を読み直したり、インターネットで検索したりしています。
場合によっては、その領域の権威の大先生にお電話していたりします。
(もちろんYahoo!知恵袋は参考にしていないと思います。・・・たぶん)
以上、思いつくままに外来が遅れてしまう原因を紹介してみました。
待ち時間短縮のため、医師・病院は日々創意工夫を重ねています。
お待たせしても笑顔で保護者の方が帰っていくような外来を目指して、donzokoも日々精進しております。